マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を18年間にわたって築き上げてきたケビン・ファイギ。マーベル・スタジオの社長として数々の名作を手がけてきた彼が、ついに制作過程での後悔を赤裸々に語りました。
2008年の『アイアンマン』から始まったMCUは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』まで順風満帆な成功を収めてきました。しかし、その裏には意外な失敗談や反省点が存在していたのです。
意外すぎる後悔:ソーの眉毛問題
ファイギが最も印象的な後悔として挙げたのは、2011年の『マイティ・ソー』でクリス・ヘムズワースの眉毛を金髪に染めたことでした。コミックでのソーの外見に忠実に再現しようとした結果の決断でしたが、今振り返ると完全に不要だったと語っています。
「ソーは金髪でなければならない、と考えていました」とファイギは振り返ります。しかし、ヘムズワースの演技力と存在感を考えれば、そんな細かい外見の調整は「ばかげていた」と認めています。
現在のヘムズワースは「長い髪も、マントも、ハンマーも、両目も必要なくソーらしさを表現できる」とファイギは評価しています。
ドクター・ストレンジの物議を醸したキャスティング
2016年の『ドクター・ストレンジ』では、エンシェント・ワンの役にティルダ・スウィントンをキャスティングしたことについて、ファイギは複雑な思いを抱いています。原作では高齢のチベット人男性だったキャラクターを、白人女性が演じることになったからです。
当時は「賢明で最先端」だと思っていた決断でしたが、「古典的なアジア人の賢者」というステレオタイプを避けつつ、アジア系俳優をキャスティングする別の方法があったことを後になって認識したといいます。
スコット・デリクソン監督は、アジア系女優がこの役を演じると「ドラゴン・レディ」のステレオタイプに陥る懸念があったと説明していました。
エンドゲームのタイトル秘匿作戦の失敗
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の続編のタイトルを長期間秘匿したことも、ファイギにとって大きな後悔の一つです。スポイラーを避けるための戦略でしたが、ファンの憶測が過熱し、期待値が異常に高くなってしまいました。
「完全に裏目に出ました」とファイギは率直に認めています。「エンドゲーム」というタイトルは制作当初から決まっていたものでしたが、秘匿することで逆に注目を集めすぎてしまったのです。
Disney+への急速すぎる展開
フェーズ4と5での最大の反省点は、Disney+シリーズへの急速な展開です。インフィニティ・サーガの50時間から、マルチバース・サーガ開始時点で100時間を超えるコンテンツ量になったことを「多すぎた」と認めています。
エコー、アガサ・ハークネス、ニック・フューリー、アイアンハートなど、スピンオフシリーズが乱立する中、ファンが求めていたのはファンタスティック・フォーやX-メンの本格参入でした。
「MCUコンテンツが宿題のように感じられるようになってしまった」とファイギは反省しています。初めて「量が質を上回った」瞬間だったと語っています。
ブレイドの早すぎる発表が招いた混乱
2019年のサンディエゴ・コミコンで発表されたマハーシャラ・アリ主演の『ブレイド』。7年近くが経過した現在でも、映画の公開は実現していません。複数の監督と脚本家の交代、度重なる延期により、プロジェクトは事実上頓挫状態です。
「後知恵では後悔している」とファイギは認めながらも、「これまでの発表方法と同じだった」と弁解しています。現在52歳になったアリは依然としてキャスティングされているものの、単体映画ではなく「ミッドナイト・サンズ」というチーム作品での登場が検討されているとされています。
ケビン・ファイギの5つの後悔は、MCU制作の舞台裏を垣間見せる貴重な証言です。完璧に見える映画製作の現場でも、数々の試行錯誤と反省があったことがわかります。これらの経験を活かし、今後のMCUがさらに進化していくことに期待が高まります。
この記事はThe Directの記事を参考に作成しています。
