東京ディズニーシーでパークを訪れるたびに心躍る体験の一つが、そこでしか味わえない特別なフードメニューです。
25周年を迎えた今、その舞台裏ではどのような想いでメニュー開発が行われているのでしょうか。
東京ディズニーシーが目指す上質な食体験
東京ディズニーシーは開園当初から「大人も楽しめるパーク」を標榜し、食体験においても上質で洗練されたものを目指してきました。
その根底にあるのは「フレッシュ・手づくり・つくりたて」というモットーです。
カウンターサービスでも妥協しない手づくりへのこだわり
東京ディズニーランド・東京ディズニーシーのフードメニュー全体を統括するエグゼクティブシェフの下村さんは、開園当初の取り組みについてこう語ります。
カウンターサービス店舗はクイックかつ手軽に食べることができるイメージがあるかもしれませんが、カウンターサービス店舗においてもフレッシュさ、つくりたて、手づくりのおいしさを大切にした料理を提供したい —— 下村エグゼクティブシェフ
その象徴的な例が、東京ディズニーシーの「ミゲルズ・エルドラド・キャンティーナ」でした。
このメキシカンレストランでは、トルティーヤの製造マシンを導入し、生地の発酵から焼成まで店内で行い、本場にこだわった焼きたてのトルティーヤでファヒータなどのソフトタコスを提供していました。
エリア特性を活かしたメニュー開発哲学
東京ディズニーシーのフード開発で一貫して大切にされているのが、エリア特性や店舗ごとのバックグラウンドストーリーです。
時代とともにディズニーキャラクターのエッセンスが加わるようになっても、この基本コンセプトは変わりません。
食事を通しても世界観や、パークの体験価値を感じられるものは必ず盛り込むというコンセプトは踏襲しています
この哲学により、東京ディズニーシーのどのエリアを訪れても、そのエリア固有の違ったおいしさに出会うことができるのです。
ゲストニーズに応える継続的改善
新しくオープンしたファンタジースプリングスの「アレンデール・ロイヤルバンケット」は、継続的改善の良い例です。
オープン以来多くのゲストを迎え、2026年4月にはゲストの多様な期待に応えるため全面的なリニューアルを実施しました。
オラフをイメージした映えるパンケーキが登場
新メニューでは軽食やデザートの選択肢が拡大され、ランチやディナーなど時間帯に応じたゲストの期待に応えられるようになりました。
特に注目は、写真に撮っても”映える”オラフをイメージしたパンケーキの追加です。
ゲストのニーズを常にリサーチして改善し続ける姿勢が、東京ディズニーシーの上質な食体験を支えているのです。
感情を表現する革新的な料理「シェフズ・イマジネーション」
下村総料理長が近年のメニュー開発で画期的と語るのが、2024年から始まった「シェフズ・イマジネーション」です。
ファンタジースプリングス開業を記念したこの特別なコース料理は、従来のキャラクターのビジュアル再現を超えた新たな挑戦でした。
キャラクターの心情を料理で表現する新発想
「シェフズ・イマジネーション」では、ディズニー映画『アナと雪の女王』『ピーター・パン』『塔の上のラプンツェル』の物語を「キャラクターの感情」をテーマに表現しています。
そこに登場する主人公の心情や感情、そして心の変化といった形のない要素を、料理という表現手段を通して一皿に映し出した特別なコース・セット料理です
「S.S.コロンビア・ダイニングルーム」「マゼランズ」「リストランテ・ディ・カナレット」で提供され、料理の新たな可能性を示しました。
25周年を彩る特別メニューの挑戦
東京ディズニーシー25周年では、テーマカラーの“ジュビリーブルー”を活用した特別メニューが数多く登場しています。
しかし、食のシーンでは珍しいこの色味の表現には、特別な工夫が必要でした。
色味の魅力的な表現に向けた工夫
開発を担当した増田さんは、シェフや他のプランニングメンバーとディスカッションを重ね、メニューカテゴリーに応じた使い分けを行いました。
- スウィーツやドリンクで”ジュビリーブルー”を表現
- メインディッシュでは”祝祭感”を重視
- パッケージもパーク内デコレーションと連動したデザイン
パティシエが追求した珠玉のミッキーマカロン
中でも注目は、アメリカンウォーターフロントの「スパークリング・ジュビリーワゴン」で提供するミッキーマカロン(ホワイトチョコ)です。
パティシエメンバーとともに”ジュビリーブルー”の色合いを美しく安定的に表現することを追求し、スミレの香りがするホワイトチョコレートのクリームをサンドした珠玉のスウィーツに仕上がりました。
各エリアで表現される25周年の祝祭感
25周年メニューは、各エリアの特色を活かしながら祝祭感を表現しています。
| エリア・レストラン | 表現方法 |
|---|---|
| ホライズンベイ・レストラン(ポートディスカバリー) | 野菜のブーケで祝祭感を表現 |
| カフェ・ポルトフィーノ(メディテレーニアンハーバー) | シーフードとローストビーフで祝祭感を表現 |
東京ディズニーシーのフード開発は、25年間一貫してエリア特性と物語性を大切にしながら、ゲストのニーズに応じて進化し続けています。「フレッシュ・手づくり・つくりたて」の基本姿勢を保ちつつ、「シェフズ・イマジネーション」のような革新的な試みや、25周年の”ジュビリーブルー”という挑戦的な色味の表現まで、常に新しい食体験を追求する姿勢が、記憶に残る最高のパーク体験を支えているのです。
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